コミュニケーションは読み物。

人間関係をちょっぴり快適なものにするためのヒントをつづっています。

価値観が違うと共感できないというデタラメ~共感の達人になるために

【ディズニーランドというあきらめ】

この人には共感できないなあ。

あの人の気持ちが理解できない。

私とは価値観がちがうから、きっと分かりあえないだろう。

 

あなたもこんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。

 

たとえば、私にはディズニーランドが好きな人達のことが理解できません。

理由はたくさんあるのですが、特にここで言う必要はないのであえて言いません。

周りがディズニーの話をして盛り上がっているとき、私はそっとイヤフォンを耳にねじ込みます。

ちょっと前まではそれが常でした。

『しょせん人と人とは分かりあえない存在なんだ』と思っていました。

ただの思い込みと、自身の未熟さが招いた幼稚なあきらめだったのですけれど。

ああ、もしかしたら初めて訪れたときのこと。

デートだったんですが、朝から晩までいて途中から雨が降ってきたのにもかかわらず夜まで居続けた結果、風邪を引いてしまい、その後熱を出してうんうん寝込んでしまった苦い想い出があるからなのかもしれません。

 

【生きていく上でほんとうにさみしいこと】

生きていると、自ずとたくさんの人たちに出会います。

ある人はあなたの横をただ通りすぎていきます。

またある人はすこし立ち止まってあなたとおしゃべりをする。それが済んだら、またバイバイして違う方向へ。

あるいは一生というみじかい時間を、一緒に肩を並べ歩いてくれる人もいるかもしれません。

大事な人たちとそうでない人たちの違いなんて、言葉にすると微々たるものなんです。

縁というものは、得てしてそういうものだから。

ひとりひとりが勝手に出逢って、勝手に別れていくだけなんです。

 

そんなさみしいこと言うなよ、と言われてしまうかもしれません。

 

勘違いしないでほしいのは、私は『大事な人になりうる人と、そうでない人の違いは微々たるものだ』と言っただけで、『人生における大事な人は、多ければ多いほどいい』と思っています。

本当にさみしいのは、たくさんの人があなたの横をただただ通り過ぎていくことです。

 

ではその微々たる差をつくっているものは一体なんなのでしょうか?

それは『本当の共感のしかた』を知っているか、そうでないかです。

 

【本物の共感力が隣を歩いてくれる人を増やす】

人にも、共感というちからがあります。

うれしいときや、おこったとき。

かなしいときや、たのしいとき。

自分がそういう感情になったときは、誰かに知ってほしいと思います。

分かってほしいと思っています。

逆に他人がそういう感情になったとき、その人の表情や、みぶりてぶりを見てあなたも同じような気持ちになってしまったことがありますよね。

太古の時代、言葉も文字もなかったとき。

共感という能力は集団の生存率を大幅に上げてくれました。

敵と味方を区別するすべであったり、また敵が襲ってきたときに湧きあがる恐怖や怒りはすぐに仲間内で伝染し団結力を深めます。

家族や集団の間で交わされる愛おしさであったり情だったりは、かけがえのない関係を浮き彫りにしてくれるものです。

 

よろこびやかなしみを分かち合えたとき、人は心を開きます。

あなたが一緒になっておこったり、たのしんだりすると、人はあなたのことを大切な人だと思うようになるでしょう。

本物の共感のしかたを身につけると、周りに大切な人がひとり、またひとりと増えていきます。

今まであなたの横を通り過ぎていった種類の人たちが、立ち止まってあなたとおしゃべりしたいと思うようになります。

おしゃべりに満足し、あなたを置き去りにしていったような人たちが、今度は一緒に肩を並べて歩いてくれるようになるかもしれません。

 

【価値観が違う=共感 Impossible?】

えーでも、価値観の違う人間とは分かりあえないよ!

好きなもの、嫌いなものが違う人とはなかよくなれそうもないです。

私と同じつらい経験をしていないくせに、あなたに何が分かるっていうの?

 

そんな声が聞こえてきそうですが、だいじょうぶ。

心配しないでください。

いまからちゃーんと教えますから。

 

【本当の共感をするための心構え】

あのですね。

本物の共感をするためのはじめの一歩は、『相手の価値観は自分とちがって当然なんだ』と自覚することです。

同じように『通常、相手の好きなもの嫌いなものは自分と違うんだ』とかんがえること。

それから『自分の生きてきた経験は、他人と違うのがあたりまえ。むしろ同じ経験をしていたら、ラッキー!』と思うこと。

 

『相手と自分はここが違う、だから共感できない』のではなく、『へ~!私と君ってここが違うんだなあ、ケンカする前に分かってよかった!』と思えるかどうかなのです。

 

価値観が違うから共感できないのではありません。

今まで価値観の違い、という亡霊に取り憑かれてきた人は、これを期に完全に成仏させてあげてください。

 

なぜ価値観が違うことを知らなければならないのかというと、お互いのだいじにしているものをむやみに傷つけることを避けるためです。

お互いの好きなもの、大事にしているものをけなしあって、イヤな気持ちにならないためです。

知らない経験を交換し合うことで、あたらしい気付きを得ることです。

 

共感とは自分が折れたり、相手を言い負かしたり、お互いの価値観を無理矢理すり合わせることを目標にすることではなく、『価値観の違いを知る』ということをゴールに設定すべきなのです。

 

【本当の共感をするための2つのステップ】

さてお互いの価値観の違いが分かったら、次は事実ではなく、感情で共感することがコツ。

 

たとえば、あなたはゲームを好きな男の子と話してるのだけれども、まったくゲームに興味がない女の子だとします。

事実にフォーカスして共感しようとすると、次のようになります。

【わるい例】

男の子「俺さいきん新しいゲーム買っちゃって、ハマりすぎて毎日寝不足なんだ。」

女の子「へーどんなゲームなの?」

男の子「RPGなんだけどさ、クエストの種類が多くって。ついついこれをクリアしたら寝よう、これをクリアしたら寝よう、って思いながら遊んでると、もう朝が来ちゃってるんだよね(笑)」

女の子「そうなんだー。クエストって何?」

男の子「ん?知らないの?クエストってのはね、ゲームにおけるウンタラカンタラ……」

女の子「(なにこれ全然興味無いんだけど……)」

 

反対に感情へフォーカスして共感しようとすると、どうなるか。

【よい例】

男の子「俺さいきん新しいゲーム買っちゃって、ハマりすぎて毎日寝不足なんだ。」

女の子「へーどんなゲームなの?」

男の子「RPGなんだけどさ、クエストの種類が多くって。ついついこれをクリアしたら寝よう、これをクリアしたら寝よう、って思いながら遊んでると、もう朝が来ちゃってるんだよね(笑)」

女の子「そうなんだ〜。クリアするとどういう気持ち(気分)になったりする?

男の子「そりゃー難しい課題をクリアするとさ、達成感っていうか、やり遂げた!って感じがするよな。」

女の子「あ〜分かる!私もダンスやってるんだけど、一生懸命練習した振付が、完璧にこなせると達成感あるし、成長したなー!って思えるから楽しいよね。」

男の子「だよなー!達成感って楽しさにつながるよな。えっ、っていうかお前ダンスやってたの?初めて聞いたんだけど!」

 

どうでしょうか?

このようにたとえ女の子がゲームにまったく興味がなかったとしても、共感できるのです。

 

【本当の共感をするためのステップ1】

ここでのポイントは、『ゲームという話題で共感ポイントを探す』のではなく、『ゲームをすることで男の子がどういう気持ちになるのか?』を聞いてあげることです。(例では女の子の「そうなんだ〜。クリアするとどういう気持ちになったりする?」という台詞)

ゲームをやったこともないのに、共通点を見つけ出すことはハナから無理です。

けれども男の子がゲームをやることで得られる達成感、つまり嬉しい気持ちを共有することはできます。

 

【本当の共感をするためのステップ2】

ゲームをしたことがない女の子が、ゲームをすることでどんな気持ちなるのかを知ることは不可能です。

だって、経験したことがないのですから。

その代わり女のコが過去経験した中で達成感を得られた、嬉しい気持ちになった出来事をひっぱってきます。

この例では『ダンスを頑張って練習したことによって得られる、達成感、嬉しい気持ち』ですね。(女の子「あ〜分かる!私もダンスやってるんだけど、一生懸命練習した振付が、完璧にこなせると達成感あるし、成長したなー!って思えるから楽しいよね。」)

そうするとお互いに『達成感、嬉しい気持ち』という感情部分で共感ができるようになります。

 

【うれしい、いらつく、かなしい、たのしい、つらい、こわいは人類共通】

タネを明かすと価値観、好み、経験ではあなたと周りの人達は異なる部分がたくさんあるのですよ。

ゆえに共通点を探し出すまでに疲れてしまう……。

ですが人間の感情というものは、喜怒哀楽、痛み、苦しみや恐怖などがほとんどでバリエーションは基本的に両手で数えられるほどです。

だから事実ではなく、それを通して相手がどう感じているのか?を訊いてあげる。

必ず、感情で共感してあげてくださいね。

うれしい、かなしい。

たのしい、おこっている。

いたい、こわい。

事実ではなく、気持ちそのものに、ですよ。

 

 

いかがだったでしょうか?

これであなたも、共感の達人!です。

ぜひ明日からあなたの会話のお供に、少しづつ取り入れてみてください。

 

 

【本物の共感力を育てるエクササイズ】

1.相手の話題に対して、相手がどういう気持ちになっているのかを訊いてみる。『どんな気持ちになったの?』

2.同じような気持ちになった自分なりの経験を交えて、感情で共感する。『私もこういう経験をして、(◯◯さんと同じように)嬉しかったよ。』(楽しかった、苦しかった、悲しかった、辛かったなど)

 

 

【ちっちゃなあとがき】

久しぶりにながーい文章を書いてみました。楽しんでいただければうれしいです☆

感想は随時受け付けています。遠慮せずに書き込んでやってください。

ARIGATO! しばりぱ